ギターリペア、ギター修理、製作工房【ナインス】

Guild F-212

ギルド F-212

12弦 / FISHMAN / GUILD / ネックアイロン / ピックアップ取り付け / ブレーシング剝がれ /

長い間弾いていなかったという12弦ギター。
Guild F-212の修理及びメンテナンスです。
弦高が少し高く弾き辛いので調整してほしいとのご依頼。
ギター内部の状態をチェックします。
やはり12弦ギターですから表面板にかかる力も
6弦のギターに比べ大きい為、力木のサイズなど
頑丈に作られています。
裏板の力木に剥がれがありました。
以外に気づかずにいる場合が多いですが
力木が剥がれていますと音色が濁ったり、
共振したりします。
反対側も外れています。
この部分も・・・。
表面板にも数ヶ所あります。
こちら側にも剥がれがあります。
表面板のチェック。
ブリッジ下から表面板の接ぎ合せ部分に沿って
クラックが入っています。
ピックガード脇にも小さなクラックがあります。
ブリッジ端の剥がれ。
反対側にも少し剥がれの症状が見られます。
このギターには2本のトラスロッドが仕込まれていますが
ロッドはかなり締め込んだ状態です。しかし、ネックの
順反りが強く弦高も少し高い為、弾き辛い状態です。
まずはアイロン調整でネックの反りを出来るだけ矯正。
反りの状態により何度かに分けて調整します。 
ネックの調整が終わりましたら力木の修理。 
ギター内部、力木の剥がれている箇所に接着剤を
すり込み手早くをジャッキアップします。
トップ板、裏板は3ミリ程の厚さしかありませんので
表側からもクランプをしてボディに掛かる負担を
軽くしながらしっかり接着させます。
裏板側の、力木修理が終わりましたら
トップ板、サウンドホール付近の剥がれを直します。
表面板、接ぎ合せに沿った割れ部分には接着剤をすり込み
裏側から小さめの割れ止めパッチを当てて処置。
ブリッジ両端の剥がれを処置後
パーツ持ち込みのフイッシュマン製、アンダーサドル
タイプのピエゾピックアップを取り付けます。
サドル溝にピックアップの配線を通す穴を空け
ピエゾピックアップを設置。
このギターのサドル形状はロングサドルのタイプですので、
サドル底面のピエゾピックアップが当る部分を加工して
サドル両端に隙間が出来ないようにセッティング。
ピックアップからエンドジャックを通す穴を
リーマーで広げます。
エンドジャックを取り付け。
実際に弦を張りアンプからの音を確認しながら
サドル底面とピエゾピックアップとの当り面など・・・
細部を調整します。
そして、ナット弦溝の調整と併せ弦高を調整。
最後にフレットを磨き、ストラップピンを取り付けて
全体のメンテナンスは完了。
ネック調整後はトラスロッドの効きも良くなり
当初、3ミリ強あった弦高も約2.6ミリ~約2.1ミリと
弾き易い弦高にセット出来る様になりました。
塗装も経年変化で飴色に焼け、渋い風貌のギター。
力木の修理後はしっかりボディ全体が鳴るようになり
気持のよい音色になりました。
オーナーの方は日本全国、色々な場所で
演奏されているミュージシャン。
今後はライブでどんどん使う予定との事・・・よかったです。

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