ギターリペア、ギター修理、製作工房【ナインス】

Martin D-15

Martin / クラック修理 / ナット交換 / ネックリセット / フレット交換 / ブレーシング剥がれ /

 

1997~98年製のMartin D-15。
オールマホガニーのギターです。
ギターを落としてしまい、
ネックがボディから外れてしまったとの事。 
どうやら隙間に接着剤を刷り込んで、
とりあえず補修したようで、ネック周りには
接着剤がはみ出ています。
ギター内部の様子も見てみます。
裏板側、力木の端は全て剥がれていました。
トップ板側の力木にも大きな剥がれがあります。
まずはトップ板側の力木剥がれから直します。
剥がれ部分に接着剤をすり込みクランプ。
次はネックを外します。
ボディ内部、ヒールブロックにはシリアルナンバーが
表記された板が貼り付けてあります。
このD-15のネックの継ぎ方はボルトオンです。
その板を剥がしますとネックとボディを繋ぐボルトが
見えます。このボルトを緩めておきます。
そして指板をラバーヒーターで暖めて
接着力を緩めます。
指板とボディの間にパレットナイフを入れ
少しずつ指板を剥がしていきます。
ジョイント部分に入れられた接着剤を
スチームでとばしてボルトを外しますと
無事ネックは外れました。
ジョイント部分の接着剤を剥がします。
指板裏の古い接着剤も剥がします。
指板とネックが少し剥がれていました。
接着剤がをすり込んでクランプしておきます。
ボディ内、剥がれていた力木も修理。
薄いトップ板など、ボディに負担を掛けぬよう
表からもクランプしておきます。
続いて、落とした際に出来た
裏板の割れを修理します。
このD-15にはコストを抑える関係なのか
裏板、張り合わせ部分に補強材がついていません。
割れ部分にはこの補強材を割れ止めとして貼り、
これ以上割れが広がるのをおさえます。
場所柄、通常使うクランプが使えませんので
強力磁石で補強材を挟み押さえます。
次はボルト周りの補強をします。
落下の衝撃でヒールブロックのボルト周りの材は
大きく割れて、このままではボルトでネックを
止めるのに強度が足りません。
マホガニーの丸棒で一度穴を埋め
再度、ボルトを通す穴を空け強度をUPします。
ヒールブロック側から・・・
しっかりと穴は埋まりました。
ボルトを通す穴を空け直します。
狭いギター内部ではボルト頭を隠す為の
ヒールブロックへのダボ穴加工の作業は困難です。
オーナーの方には了解を得て、シリアルナンバー
プレートはブロック横に貼るか保管頂き、
ボルトが見える状態で仕上げる事にしました。
ネツクとボディの継目の隙間を
サンドペーパーで調整。
緩いネックジョイント部にメイプルの付き板を貼り
ネックとボディの締まり具合を調整。
ボルトで繋がない状態でも
ボディとネックの接合はかなり強くなりました。
ネック、ボディの中心も合わせます。
接着部分の塗装を剥がし接着の準備をします。
クランプをする手順を確認後、手早く接着&クランプ。
4~5日この状態で乾燥させます。
ボディとネックが接合しましたら
フレット交換を行います。 
フレットを抜き、新たに打つフレットの足に
合うように溝を調整。
ネックの反り状態を確認後
トラスロッドと併せてネックを真っ直ぐにします。
指板アールの修正。
溝に詰まった木の粉をクリーニングしておきます。
フレットを専用工具で曲げ・・・。
長さを合わせカット。
ボディに負担がかからぬ様
工夫してフレットを打ち込みます。
全てのフレットを打ち込みました。
フレット両端の余分な部分をカット。
ヤスリで斜めに削ります。
フレット上の凸凹をチェック。 
フレットの高い部分を中心に
すり合わせ作業を行います。
すり合わせが終わりましたら
平らになったフレットを形成します。
フレット端のバリを処理。
専用工具で平らになったフレットの頭を
丸く処理します。
紙ヤスリ、スチールウールなどで
徐々に傷を落とします。
最後にコンパウンドで磨いて仕上げます。
錆付いたフレットを磨きますと、弾き心地が
格段にUPしますのでフレットはまめに
クリーニングすることを お勧めします。
次はナット交換です。
ナット溝の接着剤の跡をきれいに取り除きます。
溝は綺麗になりました。
新たに取り付ける牛骨ナットの各面の平面をだし、
溝のサイズにあわせて大まかに削ります。
オリジナルのサドルは高さに
余裕がありましたので磨いて使用。
この後、ナット調整と併せて弦高調整します。
実際に弦を張りナットの弦溝の調整をします。
音色、弾き心地に大きく影響しますので
何度も微調整を繰り返します。
溝の調整が終わりましたら
形を整えコンパウンドで磨いて仕上げます。
ナット交換など、その他もろもろの調整を完了。
弦高も低めにセッティング。
はみ出ていた接着剤も思ったより
綺麗に取り去ることが出来ました。
ネック接合部の強度もUP。
オーナーの方からも喜んで頂けました。
修理調整後は軽く弾いても反応がUP。
オールマホガニーらしい軽やかな音色が
気持良いギターでした。

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