ギターリペア、ギター修理、製作工房【ナインス】

TAMA TG-120

タマ TG-120

TAMA / サドル調整 / ナット交換 / フレット交換 /

現在ではドラム・ブランドとして有名な
タマの70年代製、アコースティック・ギター。
今回はフレット交換のご依頼です。
塗装も全体的に良い色合いに焼けて
ヴィンテージの雰囲気がでています。
ブリッジの形も
オリジナリティーがあります。
内部の状態をチェック。
力木もファンとXブレーシングの
中間の様な非常に珍しい配置で
作られています。
トラスロッドの調整場所も
ナットスロットの下にあります。
これは調整が少々めんどうですね。
ギター自体は良く鳴っていますが、
弦高が12F上、6弦で約3.5ミリ,
1弦が約2.7ミリと、かなり高めの
セッティングになっている為
弾き辛い状態です。
ネックの動きが大きく
ロッドは回りきっていますが
チューニング時のネックコンディションは
良い状態です。
サドル高さにも余裕がありますので
最終的に弾き易い高さまで削り調整します。
それではフレット交換をします。
指板がチップしないように・・・
フレットを抜きます。
抜き終えました。
ロッドでネックを調整。
指板調整と併せて
出来るだけ真っ直ぐな状態にします。
フレット溝のクリーニング。
新たに打ち込むフレット・タングのサイズに
合うように溝を調整。
新たに打ち込むフレットを曲げ
溝の長さに合わせてカット。
打ち込む際、ボディに負担をあまり
かけないようにフレットを打ち込みます。
全てのフレットを打ち込みました。
余分な部分をカット。
フレット端を斜めに削り落とします。
フレット・エッジ処理。
すり合せ前にナット交換も行います。
今回はオーナー様がある程度まで
製作してきた象牙のナットに交換します。
ナットスロットにぴったりのサイズに
成形されていますので
弦間を記し溝を切れば良い状態です。
溝に切り込みを入れ弦との接点などを調整。
最終調整はフレットすり合わせ後に行います。
弦を張りネックの状態を確認。
トラスロッドで微調整。
出来るだけ真っ直ぐな状態にします。
次は弦高を調整。
目標弦高まで削る目安を計算して
サドル底を削ります。
調整後、形を整えてマイクロメッシュで磨き・・・
仕上げます。
すり合せ前に各フレット上の凹凸をチェック。
全体を均します。
マスキングテープで指板を保護して
フレットの形を整えていきます。
専用工具でフレットを成形。
紙ヤスリで傷を落とし・・・
スチールウールで研磨。
コンパウンドで磨いて仕上げ。
フレット交換は完了です。
ナット溝の最終調整後
ナットの形も整えます。
マイクロメッシュで磨いて・・・
仕上げます。
弦高も弾き易い高さに調整。
元の状態から1ミリ近く下がりましたので
非常に弾き易くなりました。
ナット、サドル共に象牙の特性が良く出た
非常に立ち上がりの早い凛とした
音が気持ちいい。
随所にオリジナリティー溢れる
国産ヴィンテージ・ギターでした。

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