ギターリペア、ギター修理、製作工房【ナインス】

Framus 5/116-54

フラマス 5/116-54

ネック移植 / ビザール / フラマス /

50年代のドイツ製、
Framus Guitarのボディ。 
前オーナーがネックが折れた際に
折れたネックを根元からカット。
そして自身で他のギターのネックを
移植しようとチャレンジしたそうです。
移植の為に持ち込まれたのは
70年代物と思われる鈴木バイオリン製のアコギ、
「Kansas」のネック。
今回はこのネックを取り付けてほしいとのご依頼。
スケールなど細部をチェック。
何とかなりそうだったので
ネック移植作業を引き継ぎます。
既にネックの方はアーチトップボディに
合わせる為にエレベーションタイプのネックに
多少改造してありました。
ボディ裏側にも穴が空いています。
最終的には金具と併せてデタッチャブル・タイプで
ボディとネックを繋ぐ予定だったようです。
まずはホゾに残ったネックの残骸を・・・
取り除きます。
元々はボルトで繋がれていました。
ボルトの入っていた穴は塞ぎます。
丸端材でサイズを合わし・・・
穴は塞ぎました。
次はネックのホゾを組み直します。
ボディとの当たり部分の
平面、ネック角度をチェック。
ノミなどで修正しながらボディとの当たりを確認。
マホガニーの端材から・・・
大まかなホゾのサイズを切り出し。
ネックに取り付け・・
ボディと合わせながら >・・・
組み直します。
ホゾ部分の当たりを調整。
併せてネック、エレベーション部分なども
修正します。
足りない部分には
端材を継ぎ足して・・・
ボディのラインと合うように・・・
少しずつ削りながら・・・
合わせます。
同時にネックとボディの・・・
中心も調整。
スケールなどを再確認して・・・
ネック角度も調整。
ネック幅が少し足りない部分がありますので・・・
マホガニーの端材を貼り合わせ修正。
場合わせ作業を
少しずつ繰り返し・・・
ネックとボディをしっかり合わせます。
>ネック角度、中心など楽器としての
主要な部分の調整は完了。
継ぎ目の細かい調整などは後に残し
ネック塗装に入ります。
まずはヘッドの表側から作業。
カンサスのヘッドロゴとインレイは
削り落とします。
折れてしまった元Framusのネックから
ロゴ、インレイは外して取っておいたとの事。
これを新たなネックの
ヘッドに移植します。
>苦戦しましたが・・・
何とか貼り付け。
クリアを重ね
乾燥後に磨いて・・・
>仕上げます。
>続いてネック裏の作業。
同タイプ、フラマスの写真を資料を元に
ネック裏も塗装。
>まだネック、ボディ継ぎ目の細かい合わせ、
補強作業を残していますので
塗装も中仕上程度で止めて
ボディとネックの接着準備をします。
仮止めして弦を張り
角度、中心など最終チェック。
問題なけば接着します。
ネック、ボディを >接着。
数日乾燥させます。
乾燥後、今後のネック元起き、
ネック剥がれ等の不具合に備え補強を入れます。
>ダボ穴をネックからボディまで通して・・・
木ダボで補強。
これでネックとボディは
かなり強い状態になりました。
継ぎ目が滑らかになるように
ヤスリで修正。
ネックの握りを確認しながら
形を整え・・・
再度、着色。
クリアを吹き乾燥。
乾燥後、ペグ、ナットなどを
取り付けて最終調整です。
弦を張りチューニング。
ネックの状態を確認します。
新たなネックのトラスロッドは調整口が
ネックエンドにありますので調整は
少々厄介ですが調整可能です。
しっかり効いてネックは
ほぼストレートに調整。
ナット溝も調整。
続いて錆び付いたフレット周りを修正。
最後に指板をマスキング。
フレットを磨いて・・・
仕上げます。
その他、細かい調整をして・・・
全リペア完了。
新たなネックはフレット状態もよく
弾き易い弦高にセッティング出来ました。
出来上がりをイメージしながら
手探り作業の連続でしたが
無事、楽器として復活。
フルアコースティックボディは
しっかりした生鳴りで出音、雰囲気ともにCOOL !!
早速、ライブなどに使用したいとのこと。
良かったです。

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