ギターリペア、ギター修理、製作工房【ナインス】

Concertone パーラーギター

Concertone パーラーギター/フレット交換・ナット交換・力木成形

ナット交換 / パーラーギター / フレット交換 / 力木クリーニング /

 

1930から40年代に製造されたと思われる
パーラーギターの修理。
マーティンのSize 1くらいの小振りなギターです。
年相応にかなり修理後が見られますが
サイズの割りに音量もあります。
枯れた音色でブルース等にはピッタリのギター。
内部に鏡を入れて力木の剥がれなどないか
様子を見ます。力木にはまったくヤスリが入れら
れておらず角張ってバリが出たままでしたので
オーナーと相談して全体にヤスリを入れ角を落と
します。そうする事により低音域やサスティーン等
が増し今より音楽的な音になります。
当て木に紙ヤスリを貼りサウンドホールから
手を入れてバリを落としていきます。
写真では判りにくいですが力木の角を落とし
磨きました。
次はフレットの修理です。
消耗したフレットを抜きました。
12Fに新たなポジションマークを入れてほしいとの事。
指板の中心等を出して準備します。
ドリルで新たなポジションマークが入る位置に
穴をあけます。
エポキシに木の粉を混ぜてポジションマークを接着。
この後、指板調整時に凸をきれいにします。
このギターは指板にR加工がされておらず
経年変化から中央が全体的に窪んでいます。
このままではかなり弾きずらいですので
フラットに指板を修正します。 
指板をフラットにしたらフレットを打つ準備です。
溝に入った木屑を取り除きます。
ナットも外します。
溝の残った接着剤や木片をノミで取り除きます。
ナットの入る溝もきれいにしました。
指板はフラットですが打ち込むフレットには軽く
Rをつけておきます。
このギターはバインディングがありますので
その分専用工具でカットしておきます。
全てのフレットを打ち込みました。
12F以降のボディにかかるフレットは打ち込まずに
専用工具でフレットをプレスして取り付けます。
指板の端を約45度にヤスリます。
マスキングして指板の状態を見てすり合わせです。
フレットの高い所を削っていきます。
フレットの高さを確認。OKであれば
すり合わせで平らになったフレットを丸めていきます。
専用工具で丸めます。
フレットの端のバリを取り除きます。
磨いてフレット交換は終了。
次はナットの製作です。
新たに取り付けるナットの平面を出します。
元は黒檀のナットがついていましたが音の立ち上がり
など考慮して牛骨に変えます。
ナットの素材によって音色は色々変わります。 
ナットにおおよその高さを記します。
ヤスリで削り形を整えていきます。
ある程度整ったら弦の溝を切り。
ギターに取り付けて溝の調整をします。
専用工具で溝の調整をします。
ネックの状態を見ながら音色、弾き易さを調整します。
調整が済みましたら磨きます。
音色、サスティーン等も向上しました。
このサイズからは想像出来ない程よく鳴る
とても味わい深い音色のパーラーギターでした。 

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