ギターリペア、ギター修理、製作工房【ナインス】

EKO 295

Eko / アッセンブリー修理 / ネック修理 / ビザール / フレット交換 /

 

イタリアの老舗ギターメーカー
EKOのリペアです。
60年代製と思われるECO 295。
流石イタリア製、ボディ、Fホールなどの
独特なシェイプは往年のスーパーカーを
彷彿させます。
ペグも個性的。
ネックはボルトオンの
フルアコボディ・・・
残念ながらアーム部品は
紛失したようです。
ゼロフレット仕様ですが
ナットはかなり凝った作りです。
長い間、弦を張ることなく
保管されてたのでしょうか、
ネックは逆反りが強い状態。
アッセンブリーをチェック。
リアピックアップは反応していません。
通常のジャックの横には
ミニジャックもあります・・・?
ピックアップの
セレクタースイッチも
個性的です。
まずはアッセンブリー修理。
反応しないピックアップの
状態をチェツク。
抵抗値など調べると
コイル断線はしていなので
途中の配線が断線しているようです。
以前に修理した古いEKOもそうでしたが
ピックアップ・セレクター・スイッチ周りには
抵抗やコンデンサーがかましてあり
それでピックアップサウンドを
作っています。
謎のミニジャックの配線も確認。
ピックアップ・セレクター・スイッチ下の
白いスイッチに直結されているだけで
ピックアップ、ポットなどには結線されていません。
後にオーナー様が調べてくれた
マニアックなサイトの記述では
「外部エフェクトのリモートスイッチと
その為のミニジャック」とのこと。
当時、ここに繋いでボディのスイッチで
ON/OFF出来るエフェクターが
あったのだろうと思われます。
作業スペースが狭かったですが
無事にアッセンブリーは修理。
ピックアップ、ポットなど
問題なく反応するようになりました。
続いて、ネック周りの修理です。
ネックの差し込み角度が甘い為
このまま弦を張っても
非常に弦高は高い状態です。
ネックポケットに・・・
角度を修正するシムを入れて・・・
ネックの角度を確認しながら
シムを削り調整。
続いてネックの逆反りも修正します。
トラスロッドを完全に緩めた状態で
強い逆反りです。
ネックアイロンで
時間をかけて反りを修正。
続いて
フレット交換と外れて無くなっている
ポジションマークを入れます。
フレットを抜き
新たなポジションマークを入れて・・・
フレット溝を補修して
指板調整。
指板端にはバインディングが
施されていますので・・・
端を処理して・・・
フレットを打ち込みます。
フレット端のバリを処理。
フレット状態を確認して
摺り合わせを行います。
フレットの頂点を
再成形して
磨いて・・・
仕上げます。
最後に新たな弦を張り
弦高、オクターブなどを調整。
弦高もご希望の高さに
セッテングして・・・
リペア完了。
独特のボディシェイプですが
非常に抱え易いギター。
サウンドも個性的でクール。
リペア後は
ビザールギターとは思えない程
弾き易いギターになりました。

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