Gibson Chet Atkins SST ネックの根元からネックポケットにかけて見事に折れてしまったギブソン・チェットアトキンス・モデルのネック折れリペア。補強してネックとボディを組み直し再生させました。
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ネックの根元からネックポケットにかけて 見事に折れてしまったギターの修理。 |
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ネック折れの割れ口は比較的きれいだったのですが ネックのボディに入る部分とポケットのサイズが まったく合っていません。写真では解りにくいですが かなりのすきまがあり底面部分だけで接着されていた様です。 このまま接着してもネック強度・角度が不十分ですので ネックポケットの欠片を外し補強をしてから ネック角度等の調整をします。 |
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ストラップピンが付いていた穴から高温のスチームを ネックポケット内に注入し、ポット内に残ったネックの 片割れを外します。 ネックリセットの修理でダブテイルジョイントの ネックを外す際もにも行う方法です。 |
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ネックポケット内に残っていた片割れを外しました。 |
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ポケット内に残っていたネックの片割れです。 サイド部分はガタガタです。 この状態ではボディと密着しません。 |
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まずネックを元 の状態に戻します。 |
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ネックが折れる前の状態に戻りましたので 次はボディ側の欠けた部分を補修しておきます。 |
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サウンドホール付近の欠けた部分はスプルースの端材 を切り出して補修。 |
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折れたポケット内に入る部分は最終的に見えなくなりますから 硬い黒檀の丸棒で補強。 |
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ネックの両サイドは凸凹でこのままでは 接着できませんから鑿とヤスリで平面にして 補強のためにマホガニーを貼り付けます。 |
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サイドも補強しました。 |
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ネックの先の曲面部分はﾒｰﾌﾟﾙのつき板を 2枚重ねて熱をかけて曲げたあと接着します。 |
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最終的にﾒｰﾌﾟﾙのつき板で全て覆う形となりましたが この後ボディと合わせながらメｰﾌﾟﾙのつき板部分を削り ネックポケットぴったりのサイズに合わせていきます。 |
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ネックとポケットをあわせながらネックの角度調整、 ボディとの直線調整も行います。 楽器としての肝となる部分ですから何度も削っては 合わせる作業を繰り返します。 |
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全ての調整を終えたらタッチアップ塗装の準備です。 |
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木目の見えるシースルー塗装ですから 折れた部分を完全に隠す事は出来ませんが 極力目立たぬ様に色あわせします。 |
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何度も塗り・乾燥・研ぎの作業を繰り返すと 塗装膜が出来上がってきますので 研ぐぺーパーの番目を上げていくと徐々に艶がでてきます。 |
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完全に隠せませんが結構いい感じに馴染みました。 塗装の9割を終えたらボディとの接着準備です。 |
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しっかりとクランプで押さえ乾くまで待ちます。 |
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接着の際、はみ出した接着剤は 濡れタオルでふき取っておきます。 |
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クランプを外しネックが接着されてやっと 本来の形に戻りました。 |
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塗装の最終調整を行います。あまり磨くとこの部分だけ ピカピカになってしまいますので他の部分となじませて 半艶くらいに仕上げ。 |
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弦を張って試し弾きしながらナット・サドルの微調整をします。 ネックもしっかりボディ・弦の振動を伝えてくれました。 |
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色々細かい調整が多く時間がかかりましたが終了です。 |