ギターリペア、ギター修理、製作工房【ナインス】

Gibson L-00

1940年頃のGibson L-00のギター修理。生産が戦時中だった為でしょうかアジャスタブル・トラスロッドは入っておりません。ネックは元起きの状態ですのでネックリセットで修正。あわせてフレット交換、ナット交換、サドル交換、を行いました。

Gibson / サドル交換 / ナット交換 / ネックリセット / フレット交換 /

1940年頃のGIBSON L-00。
古くからブルース、ラグタイム等・・・
スタイルを選ばず様々なミュージシャンに
愛されてきた名器。
生産が戦時中だった為でしょうか・・・
アジャスタブル・トラスロッドは入っておりません。
ネックは元起きの状態ですので
ネックリセットをする事にしました。
黒檀のナット。
ボディにかかる指板部分に熱を加え
接着を外しておきます。
ボディにかかる部分の指板を
パレットナイフなどで外しておきます。
スチームを入れる穴を15F辺りに空けます。 
接着剤を軟化させる為スチームを入れます。
ネックが外れました。
ネックにはしっかりしたメイプルロッドが
仕込まれていました。
強度は十分ですね。
古い接着剤が緩いうちに取り除きます。
この後、7日~10日程乾燥させます。
ダブテイル・ジョイント部分は
かなり緩めに作ってありました。
今後、元起きの不具合が出ない様
ジョイント部分を組み直します。
修正中。
鑿などでサイズを合わせます。
ボディ側も修正。
ノミ等で削り角度を調整。 
適切なネック角度になるまで調整します。
ボディとネックの当り部の調整。
角度調整で緩くなった分、メイプル等の
付き板を貼り蟻ホゾの締りを調整します。
合わせては削り調整します。
中心も決めておきます。
細部をチェックして接着の準備をします。
接着。
乾燥まで数日クランプしておきます。
ネックとボディが繋がりましたら
スチームを入れる際に空けた穴を埋める為、
ローズウッドの端材を穴の径にあわせ加工。
次はフレット交換です。
まずは古いフレットを抜きます。
指板の状態を確認。
指板、溝の調整など終えたら
フレットを曲げ交換の準備をします。
専用工具でフレットを打ち込みます。
道具を変えて打ち込みます。
全てのフレットを打ち終えました。
次はフレットの両端をヤスリで斜めに削り落とします。
マスキングしてフレットの凹凸を確認し
すり合わせをします。
高いフレットを中心にすり合わせをします。
フレットごとの高さもチェック。
すり合わせが終わったら
フレットの角を落としておきます。
平らになったフレットの頂点を
専用工具で丸めます。
フレット端のバリを取り滑らかに仕上げます。
サンドペーパー、スチールウールなどで磨きます。
フレット交換は完了。
次はナット・サドル交換をします。
ナットを外し溝の接着剤を取り
溝の面を平らにします。
交換する黒檀ナットの各面の平面だしをして
溝のサイズに合わせます。
大まかな形を整えましたら
次はサドルを製作します。
サドルの各面を整えます。
サドル溝のサイズに合わせます。
大よその高さに削ります。
この後ナット溝の調整と併せて
サドル高さも調整して仕上げます。
ナット溝の調整。
ナット、サドル調整が終わりましたら
コンパウンド等で磨きます。
ブリッジピンホールの調整。
ペグ交換をして完了。
ネックリセット後は弦高を低くセットしても
充分なサドル高さを確保出来ました。
Gibson L-00、リペア、修理 約70年、激動の時代を生き抜いてきただけあり
貫禄のある音色が印象的なギターでした。 

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