ギターリペア、ギター修理、製作工房【ナインス】

HOFNER G500/1

ヘフナー・バイオリンベース G500/1

Bass / ベース / Hofner / ヘフナー / ネックアイロン / ネック修理 / フレット交換 /

6~70年代製と思われる非常に珍しい
ヘフナー・バイオリンベース G500/1の修理依頼。
ヘフナー 500/1の上位機種モデルだそうです。
金属パーツもゴールドメッキで
インレイ、バインディングも豪華な雰囲気です。
ネックヒールキャップには
ドイツ製との表記があります。
オーナーの方からはネック継ぎ目部分が剥がれて
弦高が高く、まともに演奏出来ないとのご相談。
かなり前からこの状態だったようです。
12F上で弦高は約5ミリ。
その上、ネックの順反りが強く
トラスロッドも回りきった状態です。
細部をチェックした結果
強い順反りをネックアイロンで修正。
併せてネック継ぎ目部分の剥がれを
修正する事にしました。
継ぎ目部に接着剤をすり込みクランプします。
アイロン修正後は
剥がれ部分も閉じて・・・
ネックも非常に良い状態になりました。
次は消耗したフレットを交換。
過去のフレット交換時にバインディングにも
溝を切り、打ち込んだようです。
フレットを抜く際に指板がチップしないよう
注意して抜きます。
フレットを抜き終えたらフレット溝を補修。
指板アールも整えます。
指板をクリーニング。
溝もクリーニング。
溝の幅を確認。
指板、フレット溝の調整は完了。
指板アールをチェック。
指板アールに合わせフレットを曲げて
溝の長さに合わせカット。
指板周りにバインディングがありますので
溝の長さに合わせフレット・タング・ニッパーで
両端をカット。
ヤスリで調整して仕上げ・・・
フレットを打ち込みます。
このベースには0フレットがあります。
0フレットには他のフレットより高さのある
フレットを打ち込み後ほど調整します。
全てのフレットを打ち込みました。
フレット打ち込み後は
余分な部分をカット。
サイドをヤスリで削り斜めに落とします。
過去に溝を切られた
バインディング部分はパテで補修。
実際に弦を張りフレットすり合わせをします。
アイロン修正後、回りきっていた
トラスロッドにも余裕ができましたので微調整。
各フレット上の凹凸をチェック。
高いフレットを中心に全体を均し
すり合わせます。
すり合せ後、
0フレットの高さを調整して
弾き易い状態にします。
次はフレット成形。
手で触って引っ掛かりのない様に
フレットエッジを処理。
指板にマスキングして
すり合わせで平らになったフレットを整えます。
専用工具でフレット頂点を丸めて・・・
荒目のヤスリから徐々に番目を上げて・・・
スチールウールで
滑らかになるように仕上げます。
最後、金属用コンパウンドで磨き・・・
完了。
オクターブなど、
その他の微調整をして全リペア完了。
弦高も弾き易いように低めにセッティング。
ネックの反りも修正されたので
ハイポジションまでスムースに
演奏出来る様になりました。
深く太い出音は現行物では出ない音ですね。
修理後は非常に弾き易くなったとの事。
よかったです。

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