ギターリペア、ギター修理、製作工房【ナインス】

Kalamazoo KG-14

1940年代製、カラマズーKG-14

Kalamazoo / クラック修理 / トラスロッド共振 / ブリッジプレート補強 / ブレーシング剥がれ /

1940年代製と思われる
Kalamazoo KG-14。
ロバート・ジョンソンが
愛用していたと伝えられるギターです。
全体をチェック。
ブリッジ周りなど、、
これまでに色々な修理調整を行い
今まで弾かれてきたギターです。
まずはチューニングが安定しない
ペグを交換。
レリック加工された
戦前クルーソンスタイル、
3連オープンバッグの復刻物に交換します。
サイズもほとんど同じ為
雰囲気も損なわずに精度もUP。
続いてギター内部の状態をチェック。
ブリッジプレート付近には
アルミチャンネルを仕込み・・・
トップ板の膨らみを抑える細工が
してあります。
簡単に取り外す事も出来ます。
前に似た改造が施された
古いギブソン製のギターを見た事がありますが
発想が非常にユニークでいいですね。
ブリッジプレートは痛んでいますので・・・
メイプル端材で補強します。
痛んだ部分を削り、補強材を接着。
1~6弦、全てを一度埋めて補強。
裏板側に力木のハガレもありますので
修理しておきます。
接着剤をすり込み
特殊クランプで圧着。
外側からも抑えて乾燥させます。
乾燥の間、トップ板のクラックも修理。
過去の修理でクラック部には
木パテのような物がすり込んであります。
今回は裏側から割れに沿って
パッチを当てて補強します。
何回かに分けてパッチを接着。
今後、割れ部分が広がるのを抑えます。
ブリッジプレートの補強作業の続き、、
埋めたブリッジピン穴を空け直し・・・
凹凸など調整して仕上げ。
弦の振動をしっかり
伝えられる様になりました。
このギターは特定弦を弾くと
トラスロッドが共鳴して大きな異音が
発生しますので修理します。
弾きながらネック裏に強力磁石を近づけると
共鳴音がおさまるポイントがあります。
そのポイント辺りの
ポジションマーク下、
トラスロッドまで貫通した穴を空けて
その穴からゆっくりと
接着剤を浸透させます。
接着剤を浸透させたら
木片で穴を埋めて・・・
固着。
接着剤が固まったら
ポジションマークを入れ直します。
下穴を空けて・・・
ポジションマークを入れて接着。
乾いたら指板と面一に・・・
均します。
指板、フレットも磨いて仕上げ。
作業後はトラスロッドの共鳴音も
無事おさまりました。
ボディ内、トップ板膨らみ防止の為に
仕込まれたアルミチャンネルも
その効果がありますので残したまま調整。
やはり新しいギターには
出せない独特の乾いた響き。
ブルース、フォークなどを
演奏すると心地よいですね。

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