Kay K-125 ケイ K-125
Kay / ケイ / ナット交換 / ネックアイロン / ビザール / フレット交換 /
1952~1953年製と思われる 非常にレアなギター、KAY K-125。 ボディ、ネック裏にペイントされたトラ目模様が B級感を漂わせます。 |
|
KAY社はピックギター等々・・・ 数々のビザールギターを作っていますがラップスチール ギターの様な雰囲気をもつこのモデルは珍しいですね。 ブルースマン、エルモア・ジェームスも使っていたそうです。 |
|
ボディは非常にコンパクトサイズなのですが 驚くべきはネックの太さ・・・・ 丸太のような超極太ネックです。(笑) |
|
ネックにはトラスロッドは仕込まれておらず スルーネック仕様になっています。 |
|
現状、スライド専用で使うにはよいのですが 弦高が高く、その上ネックの順反りが非常に強い為、 指での通常演奏はかなりの根性を要します。 オーナーの方からはネックの反りを直す事は 出来ないでしょうか・・・とのご相談。 |
|
スルーネックでロッドは入っていませんので ネックヒーターで時間をかけて反りを修正して 弾き易い状態にリペアする事にしました。 |
|
予想通り頑固な極太ネックの為かなり苦戦しましたが 何度かに分けて修正した結果、テンションをかけた状態で 軽い順反りくらいまで修正出来ました。 |
|
続いて消耗したフレットの交換を行い その際に指板を調整してネックを真っ直ぐな状態にします。 |
|
全てのフレットを抜き終えました。 | |
指板調整中。 | |
大きく順反っていたネックは真っ直ぐな状態になりました。 | |
少し崩れた指板のアールを専用工具で修正。 | |
フレット溝をクリーニングして新たなフレットを打つ準備。 | |
フレットを打ち込みます。 | |
全てのフレットを打ち込みました。 | |
はみ出したフレットの両端をカット。 | |
専用工具でフレットの両端を斜めに削り落とします。 | |
ブリッジ上の弦溝を調整。 | |
指板のアールにあわせます。 | |
続いてフレットのすり合わせ作業に入ります。 打ち込んだフレットの高さの凸凹をチェック。 |
|
高いフレットを中心にネックにテンションを かけた状態ですり合わせを行います。 |
|
すり合わせが終わりましたら指板に マスキングしてフレットを形成します。 |
|
フレット端をやすりで処理。 | |
平らになったフレットの角を落とします。 | |
フレット形成用の工具を使いフレット頭を丸めます。 | |
その後、紙ペーパーなどでフレット傷を 徐々に消していきます。 |
|
途中、スチールウールに変えて・・・。 | |
仕上げはコンパウンドで磨きます。 | |
フレットはピカピカになりました。 これでフレット交換は完了。 |
|
次はナット交換です。 | |
ナットを取り外し後、 溝に残った接着剤を取り除きます。 |
|
新たに取り付けるナットの 各面の平面を出して溝サイズに合わせます。 |
|
大まかな形に削り、溝に取り付け。 | |
ナットの上面の高さを記します。 | |
ヤスリで大まかな高さまで削ります。 | |
溝寸法を記し・・・。 | |
実際に弦を張りナット溝の高さなど調整。 溝の状態は弾き易さ、反応などに大きく 左右しますので何度も繰り返し調整します。 |
|
調整後、磨いて仕上げ。 | |
ナット交換、完了。 | |
弦高は12F上で6弦 約1.8ミリ~1弦 約1.3ミリ位に セッティング。 |
|
ネックも真っ直ぐになり弦高も低い状態に セッテング出来る様になりましたのでましたので 極太ネックでも非常に弾き易く、ハイポジションまで ストレスなく弾ける様になりました。 |
|
一見チープなアジャスタブル・ブリッジですが ネジもしっかり可動。まだまだ使えます。 |
|
ピックアップ外観はリップスティックタイプの様ですが 内部の構造は違いました。 この部分には磁石だけが仕込まれていて、 周りにコイルが巻かれています。 |
|
出力は以外に高く、出音も非常に太い音が出ます。 | |
配線はシンプルな1Vo、1Tone。 トルグスイッチでトーン回路をスルー出来る様になっています。 |
|
ギターシールドはボディのキャビティ内、 ポットに直付けされています。 |
|
野太く枯れた音色がとてもCOOL! 泥臭いブルースが似合う漢のギターでした。 |