Martin 0-17 1945年製 マーチン0-17のネックリセット。
Martin / ナット交換 / ネックリセット / フレット交換 / ブリッジプレート補強 / 弦高調整 /
1945年製、スモールサイズの オールマホガニーギター、 Martin 0-17のネックリセットなど リペア作業です。 |
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オーナー様からは 弦高が高く弾き辛いとのご相談。 弦高は12フレット、6弦は約4ミリ・・・ |
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1弦は約3ミリ。 | |
ネックの状態をチェック。 原因はネックの元起きによるので ネックを外して仕込み角度を修正して 弾き易い状態に調整します。 |
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ネックなどの状態から見て 過去にも大がかりなリペアが 行われたようです。 |
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ギター内部をチェック。 ブレーシングはノンスキャロップ仕様です。 力木の剥がれはありませんが プレートに痛みがありますので 後ほど修理します。 |
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それではリセット作業です。 ボディにかかっている指板を剥がします。 |
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15フレットを抜いて・・・・ | |
蒸気を入れる為の穴を空けます。 | |
高音のスチームで 接着剤を緩めて・・・ |
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ネックを外します。 | |
続いて、古い接着剤をクリーニング。 | |
数日、乾燥。 | |
金属が貴重な時代に作られたギターですから ロッドには黒檀が使われていますね。 ノミでネック際を削り、仕込み角度を調整。 |
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適正角度になる様に調整。 | |
ホゾのサイズが合っていませんので・・・ | |
補強します。 | |
続いてネックとボディの当りを調整。 | |
角度修正後、蟻ホゾの効きが緩くなる為、 つき板などで厚みを調整します。 |
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仕込み角度と併せて中心も調整。 | |
ネック際の剥がれた塗装を補修・・・ | |
乾燥後、均して・・・ | |
修正。 | |
仕込み角度など問題なければ 接着準備です。 |
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塗布後、手早くクランプ。 はみ出した接着剤をクリーニングして 乾燥させます。 |
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ネックリセットの作業は完了。 | |
続いて、弦のエンドポ-ルで 痛んだブリッジプレートをリペアします。 |
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専用工具で削り・・・ | |
メープルの端材から作った 補強パッチを・・・ |
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接着、乾燥させます。 この工程を2回に分けて作業。 一度ピン穴を塞ぎます。 |
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乾燥後、穴を空けて・・・ | |
ピン穴のサイズ、弦の通り溝を調整。 | |
ブリッジプレートの補強は完了です。 | |
続いて、ナット・フレット交換。 | |
黒檀ナットを外し・・・ | |
スロット面に残ったの接着剤・・・ | |
クリーニング。 フレット交換後に新たな黒檀ナットを 取り付けます。 |
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続いて、フレットを抜き・・・ | |
フレット溝、指板の修正。 | |
途中、指板のアールなどチェック。 | |
15フレットに空けた穴も 端材で埋めて修正。 |
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新たに打ち込むフレットは オーナー様、ご希望の Jescar ゴールドフレット。 |
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打ち込みます。 | |
余分な部分をカット。 | |
両サイドをヤスリで斜めに落とします。 | |
指板サイドの塗装を補修。 乾燥後、均します。 |
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フレット擦り合わせ前にナットも作り変えます。 素材はこの当時のマホガニーギターに よく使われていた黒檀。 オールマホガニーとよく合い 暖かい響きが特徴です。 |
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黒檀をナット溝サイズに合わせ高さを記します。 | |
大まかに形を整えて・・・ | |
溝に接着。 | |
弦を張り 弦溝を切り調整。 |
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各フレットの高さを確認。 | |
フレットの擦り合わせを行います。 | |
擦り合わせで平らになった フレット頂点を再成形。 |
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ヤスリで磨いて・・・ | |
フレットを仕上げます。 | |
続いてナット溝を調整後 形を仕上げ・・・ |
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ナット交換完了です。 | |
サドルは元の物を再調整。 | |
濃厚なマホガニーボディには 意外にゴールドフレットも似合いますね。 |
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最後にボディなどクリーニングして・・・ | |
リセットなどリペア完了。 | |
1弦、約3ミリあった弦高も約1.8ミリに・・・ | |
6弦側も約2.3ミリになりましたので 弾き易い状態に修正出来ました。 |
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70年以上経ったマホガニーボディの 枯れて太いサウンドは心地良いですね。 |