ギターリペア、ギター修理、製作工房【ナインス】

Mastertone Special

クラック修理 / サドル交換 / フレットすり合わせ / マスタートーン / メンテナンス /

非常にレアなギター、
1938年製、Mastertone Specialのリペア。
サンーバストーで
12Fジョイントの小ぶりなボディは
カラマズー KG11と似たシェイプをもち
独特で愛嬌のある雰囲気です。
力木の構造は
ラダーブレイシング。
トップ、サイド板にクラックはありませんが
裏板に小さなクラックがありましたので
修理します。
裏板のマホガニーは
ブックマッチの接ぎではなく
1枚板で製作されています。
クラックに沿い、
マホガニーの端材から切り出した
パッチを裏側から当て・・・
クラックが広がるのを防ぎます。
この年代のギターとしては
抜群にネックのコンディションは良い状態。
只、フレット上に凸凹があり
音詰りがありますので
すり合わせを行います。
高いフレットを中心にすり合わせ、
全体を均します。
すり合わせ後は指板をマスキングして
フレットを成形。
専用ヤスリでフレット頂点を丸めます。
紙ヤスリ、スチールウールなどで
フレットをクリーニング。
最後、金属用コンパウンドで磨き・・・
仕上げます。
すり合わせ後は
運指が滑らかになりました。
次はサドル、ナットの状態をチェック。
サドルの頂点はガタガタで
サイズも安定していなかったので交換します。
サドルを外してみますと
下にはシムがついていました。
かなり雑な作りでしたので外して
溝底を修正。
ノミ、ヤスリなどを使います。
新たに製作する牛骨ブランクを
溝サイズに合わせカット。
指板のアールをチェック。
牛骨ブランクを溝サイズに合わせ
弦高を計算して高さなど調整。
弦高が決まりましたら
頂点など形を整え
マイクロメッシュで磨いて・・・
仕上げます。
サドルとあわせて
ナットの溝の当り面、高さなども調整して・・・
弾き易い高さにセット。
ラダーブレイシング特有の乾いた響きは
指弾きのブルース、タグタイムなどに
よく合いそうです。
乾いた音色が気持ちいいギターでした。

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